第1章 温めることのデメリット

まず初めにお伝えしておきたいのは、
本書でお伝えする「冷やす」というのは
「氷で局所的に(身体の一部を)冷やす」という意味です。

真冬に裸で外に出ろというわけではなく、
体温を下げろというわけでもありません。
氷で、局所的に、冷やす。これが大切なのです。

この章ではなぜ身体を温めることを
推奨しないのかをお話しします。

心身調整所FLUXEでは、
「湯船には絶対に入らないように」と
患者さんに指導をしています。

身体を温めると痛みを強めることが
よくあるのでお伝えしているのですが、

それを無視して「温めた方が良いのでは」
という感覚的考えで温めた患者さんは
今まで何人もおられました。

その全員が翌日さらに悪化してやってくるのです。
人は感覚で物事を判断してしまいがちですが
その感覚に頼りすぎてしまい、
自分の“身体がやろうとしていること”
と“正反対なこと”をします。

そのわかりやすい例が湯船につかるような
「身体を温める」ことです。

身体を温めることのデメリットを挙げます。
・身体がだるくなる(脱力感、倦怠感)
・細胞が傷つく(その後すぐ再生していくから代謝が上がる)
・熱を排除するために心拍数が上がる、呼吸が荒くなる
・老化する(細胞再生の限度に近づくので)

凍えて体温が下がっている状態でもない限り、
積極的に温めるのではなく、毛布をかけたり、
服を着こんだり、温かい部屋に移動したり
熱を加えない保温という方法を推奨しています。

続く

湊翼