続 身体の材料は熱に弱い
一例を挙げると、卵はおおよそ
タンパク質でできています。
目玉焼きを作るときに割った瞬間の卵は
ゲル状ですがフライパンで熱すると、
硬い目玉焼きになります。
目玉焼きになった後は、
元のゲル状に戻る事は絶対にありません。
元の素性から別の素性になる
この性質を“変性”といいます。
一定の熱を加えると
タンパク質は硬化する変性ですが、
脂質は軟化変性=融解を起こし、溶けます。
イメージはバターです。
身体の中でもタンパク質と
脂質の変性は起こります。
変性が始まる温度は42℃からです。
ただ、42℃になるといきなり変性!
というわけではなく41℃、40℃、39℃でも
変性は少しずつ起こっています。
目玉焼きを作る時に弱火でやるか
強火でやるかの違いみたいなものです。
もし体温が42℃を超えだすといよいよ命が危険です。
なので、古いタイプの体温計には
42℃までしかありませんでした。
ですが僕たち人間は温泉で
40℃近い湯船に入りますよね。
実はお風呂場で亡くなる方は
交通事故で亡くなる方よりも多いことをご存知ですか?
温めるのが危険なのは
タンパク質と脂質が熱に弱いからです。
比熱容量が多い水は、
熱に弱いタンパク質と脂質を
熱から守っているのです。
続く
湊翼