身体の材料は熱に弱い

人間の体は60%~70%が
水でできているのはご存知だと思います。

“水”といっても、血液、細胞液、関節液など
いろんな液体の形として
僕たちの身体の中に収まっています。

水が優秀なのは“比熱容量が高い”からです。
比熱容量とはその液体の温度を
上げたり下げたりするときに必要な熱量のことです。

比熱容量が高ければ高いほど熱の含有可能量が大きく、
水は「温めにくく冷めにくい」です。

つまり水は油と違って、
温度が変化しにくいので一定しやすいです。

他の液体ですと油の比熱容量は
水の約半分(つまり温めやすい)です。

水より比熱容量が大きい液体でいうと
液体アンモニアくらいです。

しかし液体アンモニアか水なら
どちらの方が手に入れやすいかは明白です。

生まれた時から僕たちの生活に
馴染んでいるからこそ、
見過ごしてしまう優秀さなのです。

では身体はなぜ温度が一定しやすい水を
70%も使っているのでしょうか?

それは、タンパク質と脂質が熱に弱いからです。

水の次に多く身体に含まれているものは
タンパク質、その次が脂質です。

身体のあらゆる臓器はタンパク質と脂質で作られています。

僕らの生活を当たり前に支えてくれている
コンクリートやガラス、木などもそれぞれ
得意不得意があるように、
タンパク質と脂質も得意不得意があります。

身体の臓器はとても複雑な動きを
自動で行ってくれますが、熱に弱いです。

続く

湊翼