防ぎようのない摩擦で熱が溜まる

でも積極的に温めていなくても熱は発生しています。
熱は生きている限り発生するものです。

それを説明する物理法則が
エントロピー増大の法則(熱力学の第二法則)

この法則はわかりやすく言えば物質世界において、
ものは「必ず壊れていく」ということです。

あなたの部屋が片付いている状態から、
部屋には必ずほこりが溜まり、
必ず物が散らかり、必ず汚くなっていきます。
これは自然にしていれば当然です。

そして掃除や整頓をすることによって
そのエントロピーを減少させています。

「エントロピー」と言うのは
“物や集まりが壊れている度合い”のことなので
自然にしていると物や集まりは必ず壊れます。

コップに入れたままの水は腐っていくし、
食べ物だって腐っていくし、
人間を始めとした動物だって
自然と死に近づいていきます。

これがエントロピーの増大です。
このエントロピーを増大させている
要素として熱があります。

人間の身体もこの物理法則に従い、
エントロピーを増大させていきます。

時間経過によるエントロピーの増大を
人体では“老い”といいます。

少しでも身体を動かすと
約60兆個の細胞が少しずつ動き、
摩擦を起こします。

細胞と細胞の間に
満たされている液(細胞液)や、
関節の間に満たされている液(関節液)
といった水分のおかげで
摩擦はとても少なくなっていますが、
それでも抑えきれないほどの熱を作ります。

人体は摩擦を減らすために
必要なシステムはもっていますが
心臓が動いている以上は
わずかであっても熱は発生します。

ものを食べれば腸内で
摩擦が起きて消化するにあたっての
熱も発生します。

考え事をすれば脳内に電流が発生して
脳の温度が高くなる
ということも実証されています。

つまり「摩擦を起こさないようにする」
という事は諦める必要があります。

全てを諦めてエントロピー増大の法則に
従えば人間の身体はすぐに壊れてしまいます。

それでも壊れないのは人間の体が
しっかりと熱を排出する仕組みを
持っているからです。

人体が熱を作るのは
「低体温になった状態の対処
としての熱を創る反応」ではなく、
「避けることのできない熱の発生」
と言ったほうが正しいでしょう。

身体を壊す熱は嫌でも発生するのに、
更に熱を加える理由は何ですか?

代謝が良くなってるのは
身体が消火作業に追われているから
じゃないですか?

細胞が若返っているのではなく、
傷つけて再生を促して
寿命を前借りしてるからじゃないですか?

続く

湊翼

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